引っ越しが決まったCentral Avenue。
移転先は既に確保してあるので、見取り図を作ってスタジオのプランを立てていきます。
スタジオと言えば、シュンさん。
スタジオの現場での経験がある人はやはり違います。
見た目だけでなく、なぜこの場所にこういうものが必要なのかという機能から説明してくれて、スタジオがどのようなコンセプトで建設されていて、どうしてあんなにお金がかかるのかという事が素人ながら多少分かるようになりました。
コントロールルーム、卓と正面の壁との距離、電源、壁の素材、消音材、照明の位置、ベーストラップ...。
そういう知識がついてくるだけでも、ちょっと音楽している人っぽいです。
実際のところ、ハリウッドレベルの本格的なスタジオを構築するという訳にはいきませんが、マスタリングは業者に出すとしても、自分達のサウンド作りに必要なレコーディングとミックスはできるぐらいのレベルのホームスタジオクオリティを目指すことになりました!
「どうせやるなら、自分達ができる最高のものにしよう!!」
自分達の「秘密基地」を作る!!
オトナの、いいえ、男のロマンですね!!
子供の頃のワクワク感を持ったまま育った悪ガキ4匹というところでしょうか?
「でも、予算が限られてるし、生活もかかってるから、まずは最小限のものを作って、足りないところは徐々に付け足していくという方向にしようね。」
.....こういうところが、現実を知っているオトナというやつでしょうか?
なんでも一気に手に入れたがるのは子供の悪い癖。
多少遠回りしても、確実に手に入れる。
そして、それを焦らずにじっくりと実現させるのがオトナというもの。
ここに人生の年輪を感じさせますね。
ここに作業用のデスクが来て、ここにソファーが来るだろ~。
レコーディングブースがあって~、あ、窓がここにあると良いよね。
照明はトラックライトで、ドアがここにあって、消音材とベーストラップは必要だな~。
ホワイトボートにシュンさんがスタジオの風景を書いていきます。
「おぉ~、これが俺達の新しいスタジオになるのかぁ~!!」
「これ、実現できたら良いよね!」
「できるよ!」
「こんなの手に入れる事ができたら夢のようだよね!」
「そのためにウチらは集まったんじゃん!」
「夢は叶えたいよね!」
「お金、いくらぐらいかかるかな?」
「数千ドルで抑えれば、みんなで割れば数百ドルで済むでしょう。」
「完成しても維持費はかかるよ。」
「もう趣味の領域では済まなくなってくるね。」
「ここから大きく何かが変わるんじゃない?」
「ついに本格的になってきたね。」
「サボっていたり、無駄話ばかりしていたらお金ばかり出ていく事になるね。」
「製作に真剣になって良いんじゃない?プロの現場ではそれが当たり前だよ。」
「バンド、加速させていかなきゃね。」
「これぐらいのスタジオができたら、本当に凄い事になるよ。」
「いつか自分達のスタジオを持ちたいと思っていたんだよ。」
「俺も~!」
「だよね!」
「自分もですよ~!」
「やるか!」
「やっちゃう?」
「よしっ、自分達のスタジオを自分達の手で作ろう!!」
ホワイトボードの中でレコーディングに没頭する自分達の姿を見ながら、新しいスタジオに胸を膨らませるメンバー達なのでした。
(オヤジバンドブログ「Central Avenue in Los Angeles」から転載しました。)
コメント