AlはすでにSanDiegoに行っていますが、本番の前日にドラマーのカズ君の家でCanaeちゃんと3人でリハをすることになりました。
最初のリハから1週間。
アニソンはほとんどコピーで良いとして、自分の課題として取り組んでいたのはAlがサックスに回った際のバンド全体のリズムの薄さへの対策と各楽曲のキャラクターを引き立てることでした。
いくらCanaeちゃんがキーボードを弾くと言っても歌がメインですから、キーボードに気を取られて歌がおろそかになるような複雑なことはできません。
バラードはそれでいいとしても、アップテンポな曲では何か工夫をしないと演奏に締りがなくだらっとしたものになってしまいがちです。
演奏曲は7曲。
最初の2曲はAlがウクレレを弾くのでいいとして、中盤から後半にかけてアップテンポのオリジナル曲をどうするか…。
リズムを強調して、ギターがいなくても中高域のリズムを演出できるような方法…。
「こんな時、スラップ(古い呼び方ではチョッパー)でキメられたら良いんだけどなぁ。」
いずれはスラップでも弾けるようになりたいと思ってはいるのですが、まだ実際の演奏には使えるレベルではありません。
しかし、今回の編成ではスラップを使わないとアップテンポの曲でドラムとキーボードがうまく馴染まないような気がしていました。
このままだと地味な演奏で終わってしまうなぁ。
でも、スラップが使えたら指弾きと使い分けてセットリストにメリハリもつけられるし、サウンドも派手になってギターの不足をカバーできるんだけどなぁ…。
よし、この機会に思い切っていっちょやってみますか!
そんな訳で、その週は集中的にスラップを練習して、最低限安定した音で基本的なグルーブをキープできるようにと取り組んでいました。
そして迎えたリハです。
このリハは自分にとってテストのようなもの。
1週間の成果はどうか?
アンサンブルの中できちんと使うことができるのか?
バキバキブリブリ〜ン!!
「おぉ〜、かっこいい〜!」
「スラップ、良いじゃないですか〜」
結果はCanaeちゃんにもカズ君にも好評で、ところどころ甘い部分があるものの、概ね良しという感じでした。
ひとまず、二人が喜んでくれたのでテストはパスというところでしょうか。
日中のリハなので夕方前に帰宅して、夜にCentral Avenueの演奏を見に行くまで集中して練習すれば煮詰めていくことは十分可能。
付け焼き刃の急ごしらえではありますが、うまくいけばバンドのサウンドも賑やかな感じになりますし、これは行くしかないでしょう!
Alがこの場にいないのが気にはなりますが、スラップを使う時にはサックスに回っていますし、録音したリハの音源を送って聞いておいてもらえば彼なら大丈夫。
本番前日にやっとアプローチが固まりました。
自分のスラップがうまく機能すれば明日はきっと良い演奏になるだろう。
リハから帰って、見切り発車の未熟なスラップをそこそこ使えるようになるまでひたすら練習し、夜にはCentral Avenueの演奏を見に行きました。
Central Avenueの二人の演奏に音楽っていいものだな、そんなに気張りすぎるものでもないな、演奏する側も見る側も笑顔でいられればそれで十分だなぁとほっこりとさせてもらいました。
二人の演奏を見た帰り道、明日は自分の番だなとフリーウェイを翔ける車内で思うのでありました。
最初にCanaeちゃんのバックでベースを弾いた時に、いつかはスラップもキメられるように練習しておくよと言っていたのですが、こういう形でその約束を果たす機会がやってきました。
さぁ、明日は本番です。
とりあえず、寝坊しないようにしないとですね。
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