ピックを握る強さで音色をコントロール

Central Avenue

昨日はオヤジバンドのプリプロ音源作りでした。

プリプロって言うのは
プリプロダクション(Pre Production)の略で
音楽制作では「完成版の音源を作る前のラフな音源」
という感じで使われる言葉です。

現在の音楽業界は収益が減少して
色々なところで予算がカットされているので
プリプロの完成度が高い音源は
そこにいくらか手を加えて完成版とされる事もあるそうです。

それに、ウチのオヤジバンドは
かなり真剣に音楽をクリエイトしていますから、
プリプロもそれなりの完成度を求めています。

僕もレコーディングでは何度もダメ出しされています。

プリプロとは言え、それはバンドの音です。
どこで誰に聞いてもらえるか分からないんですから、
音楽業界の人が聞いてみて「お♪」と
思ってもらえるようなものを作らないといけません。

それが作れるようになる為だったら
何度ダメ出しされても、
それを乗り越えていかないといけません。

だって、仲間内の要求さえクリアできないのに
耳の肥えた人達に通用するような音なんて
出せるようになる訳がありませんからね。

ダメ出しされて、いちいち落ち込んでいたら
これから先が思いやられちゃいますよね。

だから、プリプロ作りのレコーディングを
実践練習の場としてどんどん活かして、
手っ取り早くレコーディングに慣れて
聴くに値する演奏ができるようにならないとなって思ってます。

オヤジバンドは基本的にロックバンドです。

僕がメインでやっているのはボサノバ、
習っているのはジャズです。
これらの音楽は音色の柔らかさが大切です。

でも、オヤジバンドが目指すロックでは
そのスタイルはあんまり評価されません。

「もっと荒々しく!」
「もっと大きな音で!」

自分が目指すものとはまるで正反対な音を要求されます。

最初は戸惑いましたし、
自分はここでは通用しないし、
自分のスタイルに変な癖がついてしまうのを
心配したり恐れたりしていました。

でも、ここは頭を切り替えて、
自分の中に全く別のスタイルとして
もう1つのギタリストを作っていく事にしたんです。

最終的には1つにまとまると思いますし
まとめあげていくつもりです。

そして、必要に応じて曲ごとに
あるいは曲の中のブロックごとに使い分ければ
ギタリストとしての大きな武器になると思うんです。

それに、オヤジバンドのメンバーには
僕みたいに柔らかくギターを弾く人はいません。

これは、バンドにとっても武器になると思います。

そういう曲が必要になった時に
それを表現できる人間がいるのは
大きな可能性を秘めていると思います。

ですから、僕は自分のスタイルを磨き上げながらも
バンドとして求められるスタイルも磨いていこうと決めました。

昨日はアコギでのストラミングを録音したのですが、
僕のスタイルはオシャレな演奏には向いても
荒々しくてワイルドなロックには向きません。

レコーディング中にも何度もダメ出しをされました。

話を聞いていると、どうやらバキバキで弦が切れそうな程の
迫力ある音が欲しい事が分かりました。

以前の僕なら「それは僕にはできません。」
「できる人が弾いた方が録音も早いと思います」
って言っていたと思います。

でも、それじゃぁダメなんですね。
せっかく、みんなで良いモノを作ろうとしているのに
僕だけ違う方向を向いている訳には行きませんし、
人に譲ってばかりでは僕自身も成長できません。

ここは何とかしてみんなが求めている音を
バシッとキメなければいけません。

自分のスタイルに凝り固まっている場合ではないんです。

僕が今、身に付けようと練習している演奏スタイルは
ピックの持ち方や弦へのあて方、
力の抜き方をとても重要視しています。

その結果、柔らかくて軽やかな音、
聴いていても痛くない音になります。

でも、逆に言えば
まとまりすぎて危なげのない
耳障りの良い音で終わってしまう可能性があります。

そして、危なさやスリルが鍵になるロックには
必要とされない音なのは明らかです。

ロックにも色々ありますから一概には言えませんけど、
少なくともこのオヤジバンドが求める音ではありません。

僕はわずかな時間で
正反対なスタイルを求められていたんです。

しかも、今後はその2つのスタイルを
好きな時に行ったり来たりできるようにならないといけません。

薄暗いレコーディングブースの中で
ヘッドホン越しに色々とダメ出しされますが、
なんとか求められるモノに答えを出さなければいけません。

求められている音、それはエッジが効いた荒々しい音。

僕は、あるアイデアを試してみる事にしました。

それによって確実に演奏力は落ちます。

ですが、演奏するのはアコギのストラミングです。
細かい単音フレーズでも
繊細なアルペジオでもありません。

荒々しくてリズムさえハマれば良いだけのテイクです。

それなら、これで充分なはず....。

「おぉ!急に良くなったじゃん!
この調子で行こうよ!」
ヘッドホンから嬉しい反応が返ってきました。

どうやら作戦は上手くいったようです。

その後、リズムの乱れで何回か録音し直しましたが
まぁまぁのモノが録音できたので、
プリプロとしての合格点がとれ、
僕の録音は無事に終了となりました。

100の練習も大事ですが
1回のレコーディングから得るものも大きいものです。

僕は、このレコーディングから
今後2つのスタイルを行ったり来たりする鍵の1つを
手に入れる事ができた気がしたのでした。

その鍵、知りたいですか?

僕が何をしたか知りたいですか?

今日のタイトルで書いてあるので
実はもう皆さんご存知です。(^^

ピックを強く握り込んだんです。

グッと握りしめていた訳ではないですけど、
かなり強く押さえ込んでいました。

そしてストロークを大きく、
時にはピックを弦に叩き付けるように弾いてみました。

ピックを握る力が変わるだけで音色が変わるんです。

荒々しいプレイが必要な時には良いかもしれませんね。

ただ、コレに慣れてしまうと
ギターは上手くなれません。

余計な力が入っているので
演奏できる限界がとても低いんです。

ただ、それがロック特有の危うさや緊張感、
ヒステリックな感じを演出する事もあるので
必要に応じて使い分けられるようになる分には良いと思います。

だって、同じフレーズでも難なくさらっと弾けちゃったら
ロックっぽくないと思いませんか?

ロックはガッツがあるから面白いんですもんね。

それにしても、こんな簡単な演奏でも
追いつくのがやっとって言うのもしんどいものですね。

もっとロックを聴いて、ボキャブラリーや
音色、ノリやフィリーリングを
身に付けておかないとなぁって思いました。

ロックから離れて、本当にやりたい音楽を見つけた僕ですけど
またこうやってロックに戻って
自分の壁を感じながら悪戦苦闘するというのも
何かの縁なんでしょうね。

巡り巡ってまた目の前に現れるという事は
きっと、今の僕にはコレが必要な事なんでしょうし、
また、その先にある景色を見る為には
乗り越えていかなければならない事なんだと思います。

こうやってロックから学ぶことも
他のジャンルを演奏する時に役に立ちますし、
根は一緒だと思いますから、
やる事をやってコツコツと進んでいきたいと思います。

さてと、今日も頑張るかぁ~♪

*僕の昔のブログ「L.A.でギターとのんびり音楽暮らし」から転載しました。

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