奇跡の瞬間、笑顔の輪の中で

ソロ活動

昨日は最近一緒に音楽活動を始めた友人の
アパートに遊びに行ってきました。

彼は歌がとてもうまいのですが、
本人は素質が無いと思っているみたいで
あんまり人前では歌いたくないという、
なんとも勿体ない性格をしているんですね。

でも、僕の事は気に入ってくれているみたいで
「Riocatoさんと一緒なら歌いたい♪」
と以前から言ってくれてました。

僕も彼の人柄の良さに惹かれているので
彼のステップアップの手助けになれたらと言う事で
一緒に音楽活動をする事になりました。

僕は僕個人での活動もありますし
このごろ妙に忙しくなってきたオヤジバンドもあるので、
この彼との活動は彼のプロジェクトとして、
僕は彼のサポート役という感じで参加しています。

実は昨日は、彼の友人の誕生日パーティーでして、
そのパーティーに僕も誘われたんです。

じゃぁ、パーティー前にちょっと
一緒にやりませんかという事になって
彼のアパートがパーティー会場だった事もあり
パーティー前の軽い練習となりました。

まぁ、練習時間もあんまりなかったので
お互いに消化不良でしたけどね。

さて、パーティーが始まり中盤を過ぎた頃、
仕事を終えてきた人達が
ぽつりぽつりと集まってきました。

その中にギターを持ってきた人もいて、
音楽の話で盛り上がった後
ギターを弾ける人同士でギターを回して
他の人達がペットボトルや紙皿、テーブルなどを叩いての
即興ジャムセッションが自然に始まりました♪

こういうのって良いものですよね♪
みんな音楽がギターが好きなんだなぁっていうのが
弾ける笑顔から伝わってきます。

もちろん、僕もギターを弾いてきましたよ。

僕らがギターを弾き始めてしばらくすると
人の輪が僕らの周りにできていた事に気づきました。

こういうのって嬉しい瞬間ですよね。

でも、その時
この日一番の感動的な場面が待っていたんです。

それは、他の人にしてみれば
ごくごく普通のパーティーの1シーンです。

でも、僕とヴォーカリストの彼にとっては
生涯忘れる事のできない瞬間だったんです。

人前で歌う事が大の苦手の彼....

キッチンから飛び出してきて
「俺、やります♪」
って笑顔で楽しそうに言うんですよ!!

(ちなみにお酒は入っていませんでしたよ~♪)

僕は即興のコード進行から、
彼との作りかけの曲のコード進行に変えました。

そして彼は人の輪の中心で歌い始めました!

伸びやかで柔らかく、優しさと誠実さが溢れる歌声。

みんな聞き入っていました。

彼の歌声を初めて聞いたとき、
いつか自分の曲作りの時に歌ってもらいたいと思いました。

そして、彼が人前で歌う事が好きじゃないって聞いたとき、
とても勿体ないなって思いました。

彼が僕の演奏で感動したって言ってくれた時、
彼の気持ちのこもった言葉に感激して
いつか彼が必要とした時には力になってあげようと思いました。

友人のステージで「男の約束だから」と歌う彼を見た時、
彼は人前で歌っていく人なんだと実感しました。

彼から「Riocatoさんとなら歌える気がするんです」
と言われた時、彼の成長を側で見守っていきたいと思いました。

そして先月、僕らは一緒に音楽活動を始めました。

彼の友人達は、彼の唄がどれだけ心に響くか知っています。

でも、彼は人前では歌わないと友人達に言っていたそうです。

彼の友人達はいつも勿体ないから歌いなよと言っていました。

でも、やっぱり彼は気が進まなかったようです。

だけど僕は、彼が歌い出すのは時間の問題だと思っていました。

友人達にも、きっとそのうちに彼は歌い出すよと言ってました。

だって、本当に唄が大好きなんだっていう歌声をしているから。

そして、パーティーの輪の中で彼は自分から歌い出したんです。

誰から言われる事無く、
そこにいなかったのに、
わざわざ自分から輪の真ん中に来て
人の注目の中で未完成の自分の唄を歌ったんです。

本当に本当に忘れられない瞬間でした。

彼は、自分の中にある壁を自分で乗り越えたんです。

しかも、ひょいっと軽々と!

歌っている彼は本当に気持ち良さそうで楽しそうで
天性のシンガーなんじゃないかと思うぐらいの
輝きに包まれていました。

曲が終わって、僕らはハイタッチをしていました。
「僕やりましたよ!」
「やったじゃん!!!」
彼の最高の笑顔が全てを物語っていました。

みんなの拍手に包まれた彼は
照れくさそうにしていましたけど、
本当に心の中からわき上がる最高の笑顔でした。

まだまだ頼りないかもしれませんけど
僕にはその光景がもの凄く誇らしく見えました。

「あれ?お前歌わないって言ってなかったけ?」
って不思議そうに訪ねる友人達に彼は
「僕もう止めたんです。もうこれからは歌っていくんです♪」
って照れ臭さをごまかすように
茶化しながら言っていました。

彼は、この一瞬で大きな一歩を踏み出しました。

彼にとってこの一瞬が、本当に大きな一瞬であった事は
周りの友人達の驚きまじりの反応が物語っています。

自分の中のリミッターを外した時、
人は大きく成長しますよね。

僕は彼の人生を変える大きな一瞬に出逢えた事を
とても光栄に思います。

そして、彼の勇気をとても誇りに思います。

彼の戸惑いや迷いを凌駕した、
彼の音楽への愛情が見せてくれた
奇跡の瞬間だったような気がします。

知らない人にはただ歌が上手い人が歌った余興かもしれません。

でも、彼の想いや葛藤を知る僕らにとっては
本当に感動的なシーンだったんです。

みんなが帰ったパーティー会場を2人で閉じた後、
彼は言いました。

「Riocatoさん、俺やりましたよ!
まさか、あの場で歌うなんて思わなかったけど、
もうサイコーの気分ですよ!!!
めっちゃめちゃ楽しい~~!!!!」

しかも、

「今度小さなカフェでイベントを友人が計画していて
歌わないかって誘われてるんですよ。
良かったら一緒に出ませんか?」

だなんて....♪

昔の彼を知っている人達は驚くかもしれませんね。

そう、今までの彼はもうすでに昔の姿、
今、この瞬間にいる彼こそがこれからの彼なんです。

今、彼は音楽と出逢えた幸せと喜びを噛み締め、
それに深い感謝を覚えているんでしょうね。

きっと、彼はその喜びと感謝を多くの人に
唄で伝える事ができる人になっていくと思います。

そして僕はそんな彼の隣で
彼が成長していく姿をギターを弾きながら
特等席で見守っていこうと思うのでした。

さぁ、これからはカフェライブに向けての準備が始まります。

もしかしたら....そう遠くないうちに
ステージで歌う彼の姿を
動画で公開できる日が来るかもしれません。

まだまだ始まったばかりの僕達ですが、
温かい目で見守って頂けると嬉しいです。

そして、彼の人柄がにじみでる暖かい歌声を
楽しみに待っていて下さいね。

...ヘタクソな僕のギターは
楽しみにしないでイイですからね。

*僕の昔のブログ「L.A.でギターとのんびり音楽暮らし」から転載しました。

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