2004年夏。
ボサノヴァがどういうものかだんだんと分かってきて、ギターでもそれなりにリズムパターンを弾けるようになってきたので、僕の曲作りもボッサのパターンでコード進行を作ることが多くなりました。
と言っても、まだまだ複雑な進行やテンションが多いコードは一定のテンポの中では弾ききれない状態だったので、DTMのプログラミングの練習も兼ねてMidi音源で演奏させてみたものです。
バッキングのパターンがイーブンな8ビートの中で演奏されているので、なんかそれっぽくないなぁと違和感を感じました。
「正確に弾けば良いってもんでもないのかな?」
「もしかしてボサノヴァってストレートなビートじゃないのかな?」
それまではコード進行としてのボサノヴァを学んできましたし、バッキングのパターンも練習して使えるようになってきましたが、この音源を作ってコンピュータの演奏を聴くことによって、ブラジルのノリに対して深く考え始めるようになりました。
その後、何年も疑問が解けずに自分はボッサは表現しきれないなぁともどかしい思いを抱え続けるようになるのですが、5〜6年後にその謎が解けてその先に進むことができるようになりました。
この音源を作ってその違和感を感じることがなかったら、僕のリズムは今でも表面的なところで終わっていたかもしれません。
味気ないデモ音源でしかありませんが、そこから得たものはとても大きいものでした。
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