2003年、QY100に惚れ込んだ僕は創作意欲を掻き立てられてどんどんと録音していきました。
この曲は、ハウスメイトのSoichiroさんと組んだバンド「Breaking Up」の最初で最後のライブでバラードもあったほうがいいかなと思って作ったのが始まりでした。
バンドが解散した翌年の2004年にインスト曲にして録音しました。
人はどこから生まれてくるのだろう、どこからやってくるのだろうとイメージを膨らませて、人が生まれる前に過ごす天上界、そして命の誕生の神秘などを頭に思い描いて音を組み立てていきました。
じゃぁ、命をまっとうした人はどこへ行くのだろう?
やっぱり天上界に帰っていくのかな?などと想像を膨らませて対になる曲を書いてみました。
この世での死は、あちらの世界に帰っていくためのものと言いますよね。
生まれる時にしばしのお別れとなっていたあちらの世界の友人達の元へ帰っていくのだとか。
宗教観によって様々な見識があるでしょうし、実際のところは特殊なケースを除いて死んだ後でないと分からないでしょうから僕には知る由もありませんが、本当にそうだったら素敵だなぁと思います。
あちらの世界から生まれてくる時にお別れした友人達への再会と同時に、この世の友人達とのつかの間のお別れになるのが死だとしたら、誕生も命の終焉も別れと出会いがあることになりますね。
「いずれまた会うことになるけれども、今はつかの間のお別れです。
また会う時を楽しみにしています。
僕は逝くけれど、君は急がなくていいよ。
遅かれ早かれ、また会えるんだから寂しがらなくていいよ。
また会おう。」
そんな気持ちを込めて書いてみました。
「誕生」と「終焉」、始まりと終わりの輪廻のようなものを意識してみた「Birth Place」と「So Long…」という曲のお話でした。
時々、自分の曲は「誰かが亡くなったのか?」と揶揄されるようなご臨終ソングと受け止められたりしてしまいますが、それはこのころからすでに始まっていたんですね。
それとははっきりと表現しませんが、命というものを深い部分でのテーマとして扱った曲を書くと、やはりそういうものが滲み出てしまうようです。
でも、聴き手の人に暗にそういうものを感じ取ってもらえるというのは、それはそれでとても光栄なことかもしれませんね。
ちなみに、「Inner Space」は人の煩悩とそこからの解脱がテーマだったりしますので、「Birth Place」と「So Long…」の間に「Inner Space」を挟んだ3部作品を僕は「心の旅3部作」あるいは「天上3部作」と呼んでいたりします。
生まれ、煩悩をそぎ落として昇華して、そして天にまた帰ってくる…。
そして、さらなる昇華のためにこの世に生まれてくるという壮大なストーリーですね。
作曲のスキルも演奏力も全然追いついていませんが、QY100の音色からそういうインスピレーションを得たのは嘘じゃないですよ。
いつかは演奏力も作曲能力もそれに見合ったものになって、聴いてくれる人の心の琴線に触れるような作品をこの世に残していけたらと思います。
それは僕の人生をかけた壮大な物語ですね。
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