2002年、当時の音楽といえばトランス・ミュージックが全盛の頃でして、トランスってなんぞや?という状態の僕はちょっと勉強してみようかなぁとそれっぽいダンスミュージックを作ってみることにしました。
しかし、色々と工夫してみてもどうにもこうにもサマになりません。
シーケンサーを使ってもあんな幻想的な音は作れませんでした。
それもそのはず、ダンスミュージックといえば最先端の機材やエフェクトをふんだんに使って未来の音を作るのが何よりも重要なキーワードになっています。
高機能のDTM環境と最新の音源が使いこなせることが求められる音楽なのです。
時代遅れのシーケンサーでは歯が立たない音楽なんですね。
DTM環境を手に入れることさえままならない僕はそのことを理解できていませんでしたが、これはモノにならないという認識だけはおぼろげと持つことができました。
でも、せっかくなのでトランスとは言えなくても、今ある機材で幻想的でデジタルな感じのダンス音楽を作ってみようと思いました。
今までシーケンサーのプリセットトラックを使ってコード進行の勉強をしていましたが、このころはSoichiroさんから借りていたQY100からRY8に戻っていて「どうせ時代に追いついていない機材なのだから」ということで、ギターのフレーズにデジタルレコーダーのエフェクトを大胆にかけたりデジタル編集で加工したりして色々と遊んでみることにしました。
確信があったわけではないのですが、EDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)では派手なエフェクトが鍵だっていうことをなんとなく意識していたのかもしれませんね。
トランス・ミュージックにはなりませんでしたが、トランス状態の精神世界をイメージした今までに作ったことのない作風の曲になりました。
いろんなジャンルの音楽にチャレンジしてみるのは、新しい発見があったり引き出しが増えたりして楽しいものです。
完成させるのに半年近くかかったために、その後に作った「Birth Place」よりも後の作品となり2003年6月に完成となりました。
当時のサイトから曲紹介のコメントを発掘したので、以下に添付しておきますね。
『宇宙っぽい曲』を創りたいという想いが,自分にはあるんですけれども,
未熟ながらも,そのテーマに取り組んだ曲です。
『宇宙はマクロコスモス,人間はミクロコスモス』という言葉を聞いたことがあります。
『人間は小さな宇宙』だと言うことですね。
という事で,『人間の内なる宇宙』,『人の中の空間』,『精神世界』...
ひらたく言うと,『心の状態』をイメージしてみました。
人の『心』って絶えず動き続けていますよね。
いつも同じに見えても,常に流れ続けている...。
透き通っていて,静かで,研ぎ澄まされている時もあれば,
掻き乱され,混乱して,ネガティブな渦に飲み込まれてしまう時もある...。
でも,そうやって人は成長していくものなのかもしれませんね。
そして,いつの日にか『何か』に辿り着くのでは....?
なぁ~て,思ってみちゃったりして! (^^
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