Spiritual Liquor -2002

Audio

時は流れて2002年の3月。

もうこのころはコンピューターで音楽を作ることができる時代になっていて、デジタルレコーダーでの音源制作がDTM(Desk Top Music=コンピューターでの音源制作)へと主役の座を明け渡していた頃でした。

日本にいた頃から既に友人達はコンピューターを持っていたのですが、自分はコンピューターを持っておらずデジタル方面はゲームしか知らないという時代遅れなアナログ人間でした。

なんとか中古で手に入れたコンピューターはWindows95のボディーに98を入れ替えたものという、WindowsならXP、macならPowerBook G3や初代iMacが主流のご時世になんとも時代遅れなものでした。

それでも初めての自分のコンピューターです。

音楽をそっちのけで毎日インターネットに夢中になっていました。

そのうちにネット上で音楽を公開しているサイトを知って様々なアマチュアミュージシャンの音楽を聴いたりして、ウェブサイトの可能性に胸を躍らせていました。

そしてついにDTMソフトなるものが身近なものになった時代だということを知り、自分の予算の中でもなんとか手に入れることのできるDTMソフトを買いました。

しかしながら、いまひとつコンピューターのハード面のことを理解していなかった僕は自分が持っているコンピューターがスペックが追いついていないということを知りませんでした。

立ち上げたはいいもののソフトがいちいち止まったり、他にもサウンドカードが必要だったりとアナログ時代とは違う煩わしさと時代に追いついていない現実に打ちのめされ、いつかDTMをできる日を夢見つつ、脇役になりつつあったデジタルレコーダーを手掛かりにデジタル音源制作の環境に慣れていくことにしました。

生活を少しずつ築き上げていく中、何とか音楽を少しずつ再開していこうとなけなしのお金を集めてRolandのデジタルレコーダー「VS840」や Yamahaのシーケンサー「QY20」を中古で手に入れ、日本から愛用のギターを送ってもらい、最低限の音源制作環境を手に入れることができました。

この曲は、そんな当時の精一杯が詰まった音源です。

L.A.に来て少しずつ知人が出来始め、HipHopをやっている知り合いから「音楽をやってるんですって?何かオシャレでファンキーなものって作れます?」と言われたのをきっかけに久しぶりに作曲に取り組んだものです。

オシャレって言ったらジャズっぽいもののことかな?と思いましたが、ギター1本で表現できる音楽を模索している中で初心者用のジャズギターの教則本を買ったりCDを買っていたりしていたとはいえ、まだまだジャズのことなどよく分からないので何となくこういうものかなぁというものを手探りで作ってみました。

ギター以外のパートのひとつひとつの音をQY20で組んでVS840に録音して、その上にギターを重ねていきました。

結局、HipHopの彼がイメージしていたものとは全く違うものになり結果には繋がりませんでしたが、シーケンサーで一つ一つ音を組み上げる音源制作に取り掛かるきっかけになりましたし、コツコツと続けていた音楽理論の勉強のおかげでこういう大人びた雰囲気の音作りができるようになっていたことを実感したのは大きな収穫でした。

 

この1年後ぐらいにHomePage Builderなるソフトを手に入れ、「ウェブサイトが自分で作れるようになる!」と張り切って勉強して初めてオリジナルサイトを作ってみました。

1st-web
まだまだCSSなんて知らないhtmlを組んだだけの素人臭いサイトでしたけど、「自分の音楽をネットで公開だ、誰かに聞いてもらえるかな」とワクワクしながら作っていたのを覚えています。

そんな初めてのサイトの「Spiritual Liquor」紹介ページから、曲の解説を添付します。

『夜の都会の片隅にあるBAR』をイメージした曲です。
Jazzと酒って,妙にあいますよね?
まるで,切っても切れない関係にあるような....。
ソフトで軽快なJazz,バーカウンター,色とりどりのカクテル,
ネオンの看板,小洒落た男女の会話,店の片隅にはビリヤードのテーブル,
グラスを拭く無口なバーテンダー,店のラジオから流れるのはこんな曲...。
そんな風景を思い浮かべて見ました。
曲のスタイルとしては,いまどきのJazzのような雰囲気をテーマにしました。
もちろん,なんちゃってですけど...。 (^^;
バンドが演奏している感じをだそうと工夫をしてみました。
どうやら,このバンドのギタリストは,まだまだ練習が足りない様です。 (^^;


vs840 yamaha_ry8

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