2009年にまおちゃんの帰国ライブで演奏した「一緒に歩こう」はこのデモテープから生まれました。
リフ中心のロックな作曲方からコード主体のポップスな歌モノへと決定的に比重が変わった曲です。
歌モノのハーモニーを意識したメロディーラインやカウンターラインなど、コードの中でメロディーを組み立てるアプローチができるようになってきて、やっとデモテープから作曲と言えるようになってきました。
ベースラインの雰囲気など、今とやっていることはそんなに変わらない気がします。
後半はドミノ&デレクスの名曲 「レイラ」みたいにカッコよくキメたかったのですが、アイデア不足で失速しています。
でも、夢の中の雰囲気を出したかった部分なので、そういう点では当時にしてはよくやったなぁと思います。
こうやってポップな感じの曲が書けるようになったというのはその頃の自分にとってはとても成長を感じられたものでした。
デモテープを作り始めてからまだ半年ちょっととかそれぐらいだったと思います。
デモテープ作りよりも作曲そのものが楽しくなり始めて、もっと良い曲が書けるようになりたい、色んなジャンルの曲が書けるようになりたいと作曲の本や理論書を買いあさるようになっていくのはこのすぐ後でした。
荒削りなデモですがこの曲は結構気に入っていて、その後L.A.で始めて組んだバンドのベーシストに聞かせたところこの曲を気に入ってくれて、作曲に興味を持っていた彼が「このコード進行に自分のメロディーを乗せてみたい」というので、彼にメロディーを乗せ換えてもらって歌詞をつけてバンドのレパートリーとしました。
残念ながら、そのバージョンは人前で演奏することもなく練習中の録音としてしか音源は残っていないのですが、まおちゃんのライブの時に歌詞を乗せ変えて復活させました。
考えてみればタイトルといい作風といい、Riocatoとしての作曲の源流がすでにこのころに生まれているのを感じます。
今をさかのぼること、およそ20年。
時代は90年代の後半にさしかかろうとしていた頃。
自分がL.A.に渡ることなど思いもせず、ただどこか遠くへ行ってみたいと考えていた20代半ばの頃の話でした。

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