「一緒に歩こう」を録音してから音楽理論書を読んで基礎的なコードの知識がつき始めてきた頃。
頭で知っているのと実際に使えるかどうかはまた別の話、やはり実際にそれを曲作りに反映させて体で学んでいくことが大事だと思い、学んだばかりのダイアトニックコードを使って理論に沿ったコード進行を意識して録音をしてみました。
と同時に、それまでピック弾き一辺倒だったプレイスタイルに幅を持たせたくなったのでフィンガーピッキングのアルペジオにも挑戦してみました。
そのような経緯もあって、この曲は自分にとって『作曲法』と『プレイスタイル』が次のステップへと入る節目の曲となりました。
この録音を最後に4トラックMTRでの録音の時期が終わり理論の勉強とギターの練習に取り組む一方で、従来からの「どこか遠くへ行きたい病」が発症して夏の観光地住み込みバイトをする放浪生活が始まりました。
糸の切れた風船のように思いつくままフラフラと暮らすようになった僕はやがてL.A.へと辿り着くことになるのですが、それはまだ数年先のお話。
録音当時、この曲は作曲の練習の過程ということでコード進行のみの録音となっていました。
L.A.で生活のリズムが整い始めて数年たった2004年、ふとこの曲にメロディーをつけてみたくなり、日本から送ってもらったギターでメロディーを乗せました。
当時の録音機材はeBayで買った中古のRolandのVS-840。
日本にいる頃にアナログで録ったトラックにL.A.でデジタルで録音したメロディーが乗っています。
日本からL.A.へ、アナログとデジタルの過渡期の録音、さらには指癖から理論主体の作曲方への移行という今にして思えばなんとも自分の歴史の転換期の音となっています。
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